I. PEEK（ポリエーテルエーテルケトン）ケーブルの概要
PEEK絶縁電線は、優れた耐高低温性、難燃性、耐放射線性、および優れた機械的特性を備えており、航空産業では超高温電線として使用できます。石油産業では、水中ポンプモーターの巻線および接続線として使用できます。原子力発電所では、長期間の照射条件下での原子炉島駆動機構の巻線コイルとして使用できます。PEEK絶縁電線の耐海水性、軽量、小型、難燃性などの優れた特性は、船舶や高速牽引機関車での使用に適しています。
- ハロゲンフリー性能PEEK材料の分子にはハロゲン原子が含まれていません。燃焼時、材料は酸性ガスや有毒ガスを発生せず、EU RoSHなどの環境要件を満たす環境に優しい材料です。
- 体積抵抗率広い温度範囲内で、一般的なPEEKポリマーは依然として高い体積抵抗率を維持できます。23°Cでは、PEEKの体積抵抗率は6 × 10¹³ Ωm以上です。140°Cでは、その体積抵抗率は8 × 10¹² Ωm以上です。200°Cでは、その体積抵抗率は6 × 10⁹ Ωm以上であり、依然として優れた絶縁特性を維持しています。
- 表面抵抗率PEEKの表面抵抗率は、25°C、湿度50%で2.0 × 10¹⁶ Ωに達し、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどのプラスチックよりも優れています。
- 誘電率と誘電正接（tan δ）PEEK5600Gの誘電率はわずか3.2で、ポリエチレン（PE）やフッ素樹脂よりわずかに高いものの、ポリ塩化ビニル（PVC）よりはるかに低い値です。10⁹ Hzの周波数範囲内で、一般的なPEEKポリマーは良好な電気的特性を有しています。この材料の多くの電気的特性は熱可塑性材料の典型的な特性に適合しており、同時に、PEEKポリマーは極めて広い温度範囲と周波数範囲でこれらの優れた絶縁特性を維持します。PEEK材料のtan δ損失は140°C以下では小さくなります。PPSはポリフェニレンスルフィド、PESはポリエーテルスルホン、PCはポリカーボネート、PSUはビスフェノールAポリスルホンです。
- 耐熱性PEEKポリマーは、ガラス転移温度が143°Cです。半結晶性熱可塑性材料として、融点343°C付近でも優れた機械的特性を維持できます。その耐疲労性と耐クリープ性は、熱可塑性プラスチックの中で比較的高いです。
- 難燃性PEEKは自己消火性があります。難燃剤を添加しなくても、UL規格に基づいて試験すると、94V-1（厚さ0.3 mm）、94V-0（厚さ1.5 mm）、94V-5（厚さ3.2 mm）に達します。さらに、燃焼時の発煙量は非常に少ないです。
- 耐環境性PEEKは濃硫酸にのみ溶解し、優れた耐薬品性を持ち、特に高温での耐酸・耐アルカリ性はポリイミドよりもはるかに優れています。同時に、PEEKの吸水率は非常に低く、23°Cでの飽和吸水率はわずか0.5%です。また、優れた耐熱水性を持ち、300°Cの加圧熱水または蒸気中で使用できます。
- 耐放射線性γ線に対する強い耐性を持ち、汎用樹脂の中で耐放射線性が良いとされるポリスチレンを上回ります。γ線照射量が850 kGyに達しても良好な絶縁特性を維持する電線を作成できます。
II. PEEKケーブルの仕様
外径3mm、内径2.5mm；外径3mm、内径2.6mm；外径3mm、内径2mm（非標準カスタマイズ対応可）
当社はPEEKケーブル押出成形生産設備を導入しており、お客様のニーズに応じて各種規格のPEEKケーブルを押出成形できます。ご相談・ご購入をお待ちしております！
III. 加工能力
- 適用可能な導体：単芯、複合芯線、編組芯線、またシース線も製造可能；
- 適用可能な導体線径：0.50mm² ～ 6.0mm²の銅線または芯線シース押出、被覆厚さ：0.05 ～ 0.30mm；
- 被覆材料：PEEK（ポリエーテルエーテルケトン）材料、主機押出能力：約28KG/H；
- 被覆外径：0.75mm ～ Φ5.0mm（最大シース外径：Φ6.0mm）；
- フラットマグネットワイヤー（予約機能）：3.30mm * 11.40mm（2.0mm * 12.0mmの範囲内）、被覆厚：0.20～0.70mm；